これがピザ?

第4話


優里に暴力的な一面があるのは昔から気付いていた。

柳田さんの言葉を思い出す…

これは彼女のコミュニケーション伝達手段の1つで悪意は無い。
大きな愛情で包めばきっと治る。


だけど僕には愛情で包む方法がわからない。
拗ねた顔が見たくて意地悪なことを言ってばかり…


僕の部屋で笑いながら話している優里は、出会った頃と変わらない優しい女の子だ。



『それでな、私が正式に部長になったから芸名も福々亭茶釜になるねん』



「大釜でも良さそうだけどね」



『しばいたろか?もう一回言ってみぃや…(;¬_¬)』



「ハハハッ。その拗ねた顔が可愛いよね」



『大釜と言われたあとに可愛いと言われて喜ぶ女がいると思うか?
せっかく作ってきたのに…
あげへんよ…これ見て』



「えっ!何か作って持って来たの?
大きなお弁当箱だね。
あけていい?

これは…あっ!お好み焼き?」



『ちゃんと見なさい。これはピザや!』



「これがピザ?初めて見た…
優里の家にもオーブンがあったのか。」



『オーブンなんて無いからフライパンで作ったんや。でもな…本に書いてある食材と調味料が聞いたこともないものばかりやねん』



「お好み焼きにしか見えないけど?これチクワだよね」



『それはシーフード。チクワは魚のすり身やろ。ちゃんとイカも入ってるやん。
パプリカの代わりにネギ。

豚肉も入ってるんやで』



「イカ、豚肉、ネギ、チクワ…
やっぱりお好み焼きだろ」



『ピザって言ってるやろ(`o´)』



「この焦げたところは…チーズか?」



『フライパンで表裏を焼いたからチーズが焦げてしまったんや。

トマトソースが分からへんからトマトケチャップを使ったの』



「お好み焼きソースで良かったかも…」



『これはピザや!
ヒロのために見様見真似で作ったのに…
ケチばっかりつけて…
なんやの……アホ…もう知らん!』



「たたくな!物を投げるな!
泣くな!

食べるよ。ありがとう。
いただきます」


……

||_-;) なんだこれ…まずい…


「これ…すっぱいね」



『そうや。ピザって、すっぱいものなんやで。

レモンをしぼってかけたんや。
どうや?地中海の味がするやろ?』



||_-;) そもそも地中海の味を知らないんだけど…



『おいしい?』



「はい…おいしいッス…」



『知佳ちゃんのクッキーと、どっちがおいしい?』



||_-;)言えません…



『おい!
コーラで無理矢理流し込んだらあかんよ。
味わって食べてね』



||_-。) こんなの拷問だ…


『なぁ、ヒロ…
この机の横の貼り紙…

これ何?英語?

【I'm on your side】

どういう意味なん?』



「私は、あなたの味方です。って、意味だよ。

中学のときお世話になった英語の先生が教えてくれた言葉さ」



『素敵な言葉やね。私もヒロの味方やで。

そうや。ピザ食べてみようかな…



わぁーっ…変な味…』



「おまえ!味見もしないで僕に食べろと言ったのか( ̄□ ̄;)!!」



『ソースかけようか?』



「最初からお好み焼き作れば良かったやん(;¬_¬)」





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